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二分脊椎症 - MyMed 医療電子教科書

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最終更新日:2010.11.29

二分脊椎症(にぶんせきついしょう)

spina bifida

執筆者: 師田 信人

概要

二分脊椎症とは


 二分脊椎症とは、背骨の背側の一部(椎弓)が欠損している状態を指す.







 神経組織の異常を伴わない二分脊椎症もあるが一般に二分脊椎症と呼ぶ場合にはなんらかの神経障害を伴う二分脊椎症のことを指す.

 二分脊椎症には脊髄髄膜瘤のように神経組織が直接皮下に露出している開放性(顕在性)二分脊椎と、皮膚(脂肪腫、血管腫、毛髪、皮膚洞などの異常を伴うこともある)に覆われ皮下で神経組織が脂肪などと癒合している潜在性二分脊椎の2つに大きく分けることができる.



  開放性二分脊椎症:神経組織が皮膚に露出

潜在性二分脊椎症:神経組織は皮膚に覆われている

発生・発生率


 神経組織と皮膚は胎生期には同じ外胚葉に属する.この、神経外胚葉と皮膚外胚葉の分離障害により様々な二分脊椎症が生じる.分離が起きないと、脊髄髄膜瘤が生じる.分離が不完全で、神経外胚葉と皮膚外胚葉が完全に分離する前に中胚葉組織が迷入すると脊髄脂肪腫など、潜在性二分脊椎症が生じると考えられている.

 脊髄髄膜瘤(開放性二分脊椎症)の発生数は国内では年間約150名といわれている(厚生労働省精神・神経疾患研究委託事業 二分脊椎症の診断・治療および予防に関する研究 平成13年度報告書).発生率で計算すると1万人に約1.3人ということになる.これは欧米の1/3 – 1/7にあたり日本での発生率は世界的には少ないといわれていた.しかし、近年欧米諸国では脊髄髄膜瘤の発生率が急速に減少してきている.これは、脊髄髄膜瘤発生に予防効果が認められる葉酸の摂取が積極極的に勧められていることと関係している.国内でも、厚生労働省により妊娠可能年齢の女性に葉酸0.4mg/ 日の摂取が提唱されているが、充分に浸透されているとは言えない状況である.

 一方、脊髄脂肪腫に代表される潜在性二分脊椎の発生率については4000人に一人との報告もあるが、診断が困難な場合もあり正確な数は不明である.又、葉酸の予防効果についても賛否両論があり、明らかな予防効果はないとする報告も認められる.

二分脊椎症の症状


 二分脊椎症では、神経形成時の障害により下肢運動機能、膀胱直腸機能が程度の差はあれ障害される.しかしその他の症状に関しては、同じ二分脊椎症でも開放性と潜在性では重症度に大きな違いが生じてくる.開放性二分脊椎症の代表である脊髄髄膜瘤では水頭症・キアリ奇形を伴う.これは、脊髄髄膜瘤では胎児期に髄膜瘤周辺より髄液が漏出することが原因と考えられている.



 髄液が流出してしまうため頭蓋内腔と脊髄腔の間で圧較差が生じ小脳の一部が脊髄腔に陥入するキアリ奇形が生じる.また、髄液の流出路がキアリ奇形により狭窄したり、髄液漏出による頭蓋内での髄液吸収能力の未発達が原因となり水頭症が生じる.



 水頭症は更にキアリ奇形を悪化させ、キアリ奇形の進行は水頭症の進行を一層進める、という悪循環が生じる.

治療

開放性二分脊椎症


 二分脊椎症の治療の基本は外科治療が担う.脊髄髄膜瘤など開放性の場合には生後早期(通常72時間以内)に感染予防と神経機能温存を目的に修復術を施行する.水頭症を合併する場合には生下時に髄液リザーバーを設置し、間欠的に髄液排除を行ない生後1-2週間頃に脳室腹腔短絡術(VPシャント術)を施行する.キアリ奇形による脳幹機能障害が出現する場合には大後頭孔-上位頸椎減圧術を行なうが、通常は生後1-3ヶ月の時点で行なわれる.



 脊髄髄膜瘤の手術では、神経組織を皮膚から剥離後、可及的に正常に近い状態で整復し、硬膜・皮下組織・皮膚で覆う.






 巨大例で皮膚欠損が広範に渡る場合には、形成外科的に皮膚弁を形成し創部を覆う.



水頭症


 脊髄髄膜瘤で生まれた新生児の15%に生下時すでに重度の脳室拡大を伴い、生後6週間以内に約90%の患児に水頭症手術が必要になるといわれている.脊髄髄膜瘤に伴った水頭症の多くは循環障害と吸収障害を合わせて持つ多要因性水頭症と考えられている.そのため水頭症治療としては神経内視鏡手術でなく脳室腹腔短絡術(VPシャント術)が選択されることが一般的である.



キアリ奇形


 脊髄髄膜瘤に合併するキアリ奇形はキアリ2型であり、小脳組織の一部や脳幹部が頚部脊椎管内に陥入している.



 キアリ2型奇形はMRI画像上95%に認められるが、実際に症状をだすのは20-30%と報告されている.ただしひとたび症状が明らかになるとそのうちの1/3-1/2で生命が危険にさらされるなど重篤な状態となる.キアリ奇形の症状としては無呼吸発作、呼吸異常、嚥下障害、発語障害、脳神経麻痺などの脳幹機能異常が主体となる.治療は、水頭症治療がまだであれば早急にVPシャントを、またシャントが有効に作動しているにも関わらず症状が進行する場合には大後頭孔減圧術+上位頚椎椎弓切除術を行なうが、有効率は50%程といわれている.脳幹そのものに異常を伴っていることがあるため、外科治療にも限界があるのが現状である.そのため、手術を行なう場合は症状が重篤化する以前に行なうことが推奨されている.

潜在性二分脊椎症


 脊髄脂肪腫など潜在性二分脊椎症の場合には神経症状の有無、程度にもよるが、通常は生後1-6ヵ月をめどに手術を行う.手術の目的は異常組織の切除と脊髄係留(脊髄と皮下組織の癒着)解除にある.



 脊髄脂肪腫では脂肪腫そのものの切除は部分切除にとどめ、神経症状の悪化を招かないように留意する必要がある.



 潜在性二分脊椎症では水頭症やキアリ奇形を合併することは極めて稀である.逆に神経障害や皮膚異常が軽度であると見過ごされ成長期になるまで気づかれないこともある.脊髄脂肪腫の中には神経根自体が先天的に欠損している場合もあり、成長とともに下肢長や足底の大きさの左右差が明らかになることもある.]



成長した二分脊椎症患者の抱える各種問題

ラテックスアレルギー

 ラテックスとは天然ゴムに含まれる成分の一つで、アレルギーの原因となる.二分脊椎症患者の1/2-1/3はラテックスアレルギー陽性といわれている.ラテックスアレルギーによるショックを起こすと重篤な事態となるが、手術はラテックスフリーの環境で行なうなど、適切な注意を払えば予防可能である.総手術回数2回以下でラテックスアレルギー陽性となることは稀であるが、5回以上では統計上明らかに陽性率が高くなる.そのため水頭症のシャント術を受け、その後も手術を繰り返している場合は十分な注意が必要となる.



 基本的に、二分脊椎症・水頭症を中心に、乳幼児ではラテックスフリーの手術用手袋をはじめとしたラテックスフリーの環境で手術を行ない、ラテックスへの暴露を可能な限り避けることが望まれる.

シャント機能不全


 シャント機能不全時の症状は年令により異なる.一般的にシャント機能不全によるシャント閉塞時にはシャント感染の可能性も配慮する.また、キアリ奇形の症状悪化でシャント機能不全が明らかになる場合もある.シャント機能不全の発生は年長になるにしたがい低くなるが、発生時の症状が分かりづらくなることもある.急に意識障害を伴うこともあり、具合が普段と異なる時は早めに掛かり付けの医療機関に受診することが勧められる.

シャント機能不全時の症状


 乳児期:頭囲拡大、大泉門緊満、嘔吐、落陽現象

幼児期:嘔吐、活動性低下、傾眠傾向、不機嫌

学童期:頭痛、視力低下、学業低下、意識障害

脊髄係留症候群


 生下時、あるいは生後早期に二分脊椎症の手術を受けても、多くの場合脊髄は硬膜に癒着する.身体の成長 に伴い、この脊髄が癒着部で牽引されて症状が悪くなる状態が、脊髄係留症候群である.



 下肢運動感覚障害・排尿障害の悪化、あるいは脊椎変形の進行・足底部潰瘍の出現などの症状を伴うことがある.治療としては、外科的に脊髄係留を解除する.一般に、再手術であるので周囲組織との癒着は高度であり、技術的にかなり困難な場合も少なくない.また、脊髄係留に脊髄空洞症が合併することも珍しくない.



その他の問題


 脊髄髄膜瘤患者では成長ホルモン分泌低下、思春期早発症などの内分泌障害を伴うことも稀ではない.内分泌異常の原因としては水頭症、キアリ奇形による視床下部—下垂体(ホルモン分泌の中枢)系への影響が疑われるが、詳細は不明である.治療としては内分泌専門医によるホルモン補充療法が行われます.

 重度のキアリ奇形の患者では、呼吸障害に対する気管切開、人工呼吸器を用いた補助呼吸が必要になる場合がある.嚥下障害に対しては経鼻胃管で栄養をつけなければならないことがあるが、管の交換を安全・容易に行なえるように胃瘻(胃と皮膚を外科的に交通させる)を造設することもある.

成長後の問題

 二分脊椎症患者が健康上留意しなければいけない問題は多方面に渡る.二分脊椎症と直接関連した問題としては水頭症、キアリ奇形、脊髄空洞症、脊髄係留がある.この他にも一般的な医療問題として高血圧、腎機能障害、肥満、結婚生活上の問題、眼科的問題(弱視、斜視)、妊娠・出産時の水頭症管理などが問題になる.

 肥満は二分脊椎症患者にとっても大きな問題である.睡眠時無呼吸・内分泌障害・泌尿器系合併症など医療面だけでなく、社会生活上(公共機関を用いた移動時など)・雇用・居住生活などの上でも大きな負担になる.運動制限があるためどうしても肥満傾向となりやすいが、患者・家族ともに十分留意する必要がある問題である.

 ラテックスアレルギーは一般の認識はまだ十分でなく、医療機関の中でも必ずしもその重要性が十分に認識されているとはいいにくい状況である.そのため、患者・家族自身がラテックスアレルギーの有無、あるいは可能性について必要に応じて医療機関に自分から注意を喚起するくらいの心構えを持っていた方が安全と思われる.

執筆者による主な図書

1) 山崎麻美・坂本博昭 編集:小児脳神経外科学,金芳堂

2) 胎児期水頭症ガイドライン編集委員会:胎児期水頭症診断と治療ガイドライン,金芳堂

執筆者による推薦図書

1) 細谷亮太 著:医師としてできることできなかったこと,講談社プラスアルファ文庫

2) 山崎麻美 著:こどもの脳を守る 小児脳神経外科医の報告,集英社新書

3) Fred Epstein,Joshua Horwitz 著:If I Get To Five,Living Planet Book

(MyMedより)その他推薦図書

1) 新井一 編集:小児脳神経外科手術―安全な手術のコツを伝授 (NS NOW),メジカルビュー社

2) 大場洋 編さん:小児神経の画像診断―脳脊髄から頭頸部・骨軟部まで,学研メディカル秀潤社 2010
 

免責事項

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