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下咽頭がん - MyMed 医療電子教科書

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最終更新日:2010.11.02

下咽頭がん(かいんとうがん)

執筆者: 丹生 健一

概要

下咽頭の解剖と役割


 咽頭(のど)は上から順に、鼻腔の奥にある上咽頭、口腔の奥にある中咽頭、喉頭(のど仏)の裏にある下咽頭に分類される。下咽頭の下方は食道へと連続しており、口腔・中咽頭から食道へと続く食物の通り道(食物路)の一部をなす。一方、喉頭(のど仏)は首の中央に位置し、中には音声の源となる左右一対の声帯がある。上方は鼻腔・口腔・中咽頭から気管・肺へと続く空気の通り道(気道)の一部をなす。


下咽頭がんの分類


 この下咽頭にできたがんが下咽頭がんである。下咽頭は解剖学的に梨状陥凹、輪状後部、後壁とに分けられ、それぞれにできたがんを梨状陥凹型下咽頭がん、輪状後部型下咽頭がん、後壁型下咽頭がんと呼ぶ。本邦では、梨状陥凹型、輪状後部型、後壁型がそれぞれ、60~70%、20%、10%と、梨状陥凹型が最も多い。

病因

喫煙と飲酒


 下咽頭がんの多くは、長年の飲酒・喫煙による慢性の刺激が原因であると考えられている。罹患患者の喫煙量を示すBrinkman指数(1日喫煙本数 ×喫煙年数)は平均約950、飲酒量を示す指標のSake指数(日本酒の合数に換算した1日飲酒量×飲酒年数)が90と非常に高値を示す。50歳以上が大半を占め、高齢者に多い。


鉄欠乏性貧血


 鉄欠乏性貧血によるPlummer-Vinson症候群による輪状溝部のwebから、続発して下咽頭がんが発生することが良く知られている。一般に飲酒・喫煙が主な原因となることから、下咽頭がんの大半を男性が占めるが、このような理由から輪状後部型は女性に多い。


放射線


 他の疾患に対して以前に行われた放射線治療による誘発がんとして下咽頭がんが発生することがある。

病態生理

病理


 飲酒および喫煙による慢性の刺激が主な原因であり、他の頭頸部領域の悪性腫瘍—舌・咽頭・鼻副鼻腔など−と同様、下咽頭がんの大半を扁平上皮癌が占める。組織学的には、中分化型が約半数を占め、高分化型が30%、低分化型が20%である。その他、腺癌、腺様嚢胞癌、腺扁平上皮癌、未分化癌、肉腫などが稀にみられる。

重複癌


 同じく飲酒・喫煙が原因となる中咽頭がんや食道がんなどを合併することが多い。特に食道がんは多く、下咽頭がんの10~30%に同時性または異時性に発生する。

臨床症状

 極、早期の下咽頭がんでは特徴的な症状はなく、咽喉頭の異常感や異物感、閉塞感が主である。進行すると、嚥下障害、嚥下時痛、耳への放散痛がみられる。更に進行し、病変が喉頭の及ぶと、嗄声、喘鳴、呼吸困難、血痰などの症状を呈する。

 70%に初診時に頸部リンパ節転移がみられ、初診時に頸部リンパ節転移が唯一の症状である症例も少なくない。

検査成績

喉頭内視鏡:
 鼻腔から細いファイバースコープ(内視鏡)を挿入し、喉頭・下咽頭全体を観察する。腫瘍の進展範囲、声帯の可動性などを調べる。

CT[computed tomography]:
 放射線を用いた頸部と体幹の画像検査である。腫瘍の深部への浸潤、頸部リンパ節転移、肺転移などの有無を調べる。

MRI[magnetic resonance imaging]:
 磁気を用いた頸部の画像検査である。進行癌における腫瘍の進展範囲や頸部リンパ節転移の有無を調べる。

頸部超音波(エコー)検査:
 主に頸部リンパ節転移の有無と性状を調べる。

上部消化管内視鏡検査:
 下咽頭がんの下方進展を確認するとともに、食道がん・胃がん合併の有無を検査する。

PET[positron emission tomography]:
 放射線同位元素(アイソトープ)を用いた画像検査。頸部リンパ節転移や肺転移、肝転移、骨転移、重複癌などの有無を調べる。

診断・鑑別診断

病理診断


 喉頭内視鏡検査の際に行われる生検[biopsy]によって病理組織学的診断がなされる。内視鏡による生検が困難な場合は、全身麻酔下に喉頭微細手術により組織を採取することもある。

病期分類


 喉頭内視鏡検査、上部消化管内視鏡検査、CT検査、MRI検査、頸部超音波検査、PET検査などにより、病変の広がり、すなわちがんの進行度が決定される。原発巣はがんの進行度により、1~4の4段階に分類され(T分類)、頸部リンパ節転移は大きさ、個数により0~3の4段階に分類される (N分類)。更に遠隔転移のない場合は0、ある場合は1と表記する(M分類)。T分類、N分類、M分類を総合的に判断して病期を決定する。

治療

 治療は放射線療法と手術療法とが中心となる。一般に早期癌は放射線治療、進行癌は手術療法の適応となる。年齢、全身状態、職業、性格、家庭環境など様々な要素を考慮した上で治療方針を決定する。

放射線治療


 60Coγ線かライナックX線(4~6MeV)を用いて、1日1回週5回、総回数30~35回が標準的な放射線治療として行われている。近年、放射線療法の治療成績向上を目指して、1日に2回照射する多分割照射法[hyperfractionated radiation therapy]や、抗がん剤を同時併用した化学放射線療法[chemoradiotherapy]が行われるようになってきた。


手術療法


 原発巣が極めて限局している場合は、顕微鏡や内視鏡を用いて経口的に腫瘍を切除する術式も可能だが、大半は進行癌であり、大きさ・進展範囲に応じて腫瘍の周囲に安全域をつけて切除し喉頭を温存する下咽頭部分切除術か、喉頭も含めて下咽頭全てを切除する下咽頭喉頭全摘術が必要となる。欠損した粘膜は空腸や前腕皮弁の遊離移植により再建される。

 頸部リンパ節転移に対しては頸部郭清術が行われる。下咽頭がんは頸部リンパ節転移を来たしやすいので、術前検査でリンパ節転移が認められなくても予防的に頸部郭清術を併用することが多い。


化学療法


 化学療法単独で根治を期待することはできないが、放射線療法や手術療法を行う場合に治療効果の向上を目指して抗がん剤を併用することがある。手術不応な進行癌や肺などへの遠隔転移では、各種抗がん剤による化学療法や放射線療法が治療の主体となる。

予後

 外科治療を中心に受けた下咽頭がんの5生存率はI期で約60~90%、II~III期で40~70%、IV期で20~50%である。下咽頭がん自体が治っていても、食道がんや肝硬変などの他疾患でなくなる場合も少なくない。放射線単独の5年生存率はI・II期で 40~60%。

術後の管理・生活指導

喉頭摘出を受けた場合


 喉頭摘出により音声を喪失した場合は、申請により身体障害者の3級に認定される。

 声帯による発声に代わる代用音声としては気管食道瘻形成術・ボイスプロテーシス・食道発声・人工喉頭など様々な方法がある。患者の年齢・体力・職業・性格・社会的背景・家庭環境・経済状態などを考慮して、適した代用音声を用いる。各地域で喉頭摘出者福祉団体が発声教室を開き、各種代用音声の指導を行っている。

 喉摘者は永久気管孔からの呼吸となるため、1)過度の暖房を避け、加湿器などにより部屋の乾燥を予防する、2)ガス漏れ警報機を設置する、3)(気道の括約機能消失により「いきめない」ので)便秘気味の症例では緩下剤を処方する、などの注意が必要である。

放射線治療を受けた場合


 急性期を過ぎても、咽頭・喉頭の浮腫が直らず、むしろ増強して呼吸困難をきたす場合がある。喫煙や飲酒を慎むように注意が必要である。

参考文献

1)  頭頸部癌取扱い規約 改訂第4版 東京 金原出版 2005

2) 国立がんセンター がん対策情報センター がん情報サービス 各種がんの解説 下咽頭がん

3) 大阪府立成人病センター 病気の説明と治療成績 耳鼻咽喉科に係るがん 下咽頭がん

4) 丹生健一 第9章 喉頭癌 加我君孝 市村恵一 新美成二 編著 新臨床耳鼻咽喉科学 3巻—鼻・口腔・唾液腺・頭頸部腫瘍 東京 中外医学社 2003,478‐493

執筆者による主な図書

1) 野村恭也 編・著:新耳鼻咽喉科学,南山堂

2) 岸本誠司 編・著:耳鼻咽喉科診療プラクティス 耳鼻咽喉科・頭頸部外科のための臨床解剖,文光堂

3) 加我君孝・市村恵一 編:新臨床耳鼻咽喉科学 第3巻,中外医学社

執筆者による推薦図書

1) 日本頭頸部癌学会 著:頭頸部癌取扱い規約,金原出版

2) 日本頭頸部癌学会 著:頭頸部癌診療ガイドライン,金原出版

3) 岸本誠司 他 著:耳鼻咽喉科診療プラクティス 頭頸部癌のDecision Making,文光堂
 
4) 林隆一 他 著:癌の外科―手術手技シリーズ,MEDICAL VIEW社
 
5) 癌研有明病院頭頸科 著:頭頸部手術カラーアトラス,永井書店
 

(MyMedより)その他推薦図書書

1) Jack E. Thomas・Robert L. Keith 著、菊谷武・田村文誉・足立雅利・西脇恵子 翻訳:喉頭がん舌がんの人たちの言語と摂食・嚥下ガイドブック,医歯薬出版 2008

2) 中川恵一 著:がんの正体,PHP研究所 2010

3) 佐々木常雄 編さん:がん診療パーフェクト―基礎知識から診断・治療の実際まで,羊土社 2010
 

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