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Systemic Lupus Erythematosus: SLE
執筆者: 赤城 邦彦
SLEは、幅広い臨床症状を呈して多臓器を侵す自己免疫性結合組織疾患である。発症のピークは10代後半から40代前半の女性で、男女比はほぼ1:9である1)。人種差があり、アフリカ人およびアジア人に発症頻度が高く、かつ白人より重症とされる。SLEは慢性疾患であり、主要臓器障害をきたす時は生命的予後にも関連し、さらにしばしば慢性の病的状態を呈することも多い。日光曝露や薬剤などもSLEの発症要因となりうるが、一つの原因によるものではなく、複雑な遺伝的背景があるとされている。
原因と機序は未だ不明だが、遺伝的素因、ホルモン、環境など多因子が免疫調節障害を惹起すると考えられている。主要因は、自己抗原に対する自己抗体の産生にある。特に、抗核抗体、抗DNA抗体、その他の核抗原―リボゾーム、small nuclear(Sm)、cytoplasmic(Ro,La) ribonuclear proteins―、血小板、凝固因子、免疫グロブリン、赤血球、白血球などに対する自己抗体がみられる。自己抗体の増加、特に抗dsDNA抗体の血中および組織結合免疫複合体が補体に結合することにより、炎症細胞が呼び寄せられ、組織障害を起こす。先に述べたように、自己抗体(抗核抗体、抗dsDNA抗体、抗Ro抗体、抗La抗体、抗Sm抗体、抗RNP抗体、抗リン脂質抗体)の中で早いものはSLE発症9年前に先行することから、自己免疫反応は臨床症状出現前から存在していることがわかる。
遺伝的素因が、家族内の高頻度(10%)に抗核抗体、抗γグロブリン血症、SLE、その他の自己免疫疾患がみられることから想定されている。人種的背景として、SLE患者では特定のHLA型(HLA-B8,HLA-DR2,HLA-DR3)の頻度が高い。また、先天性補体欠損症もSLEを発症しやすいことが知られている。
SLEは、自己抗体の産生とBリンパ球の多クローン性活性化を特徴とし、その結果、血中免疫グロブリンが増加し、自己抗体価も増加する。多クローン性活性化の機序はわかっていない。想定される機序として、ウイルス抗原のような抗原刺激に対する非特異的反応、または自己抗原に対するB細胞や抑制T細胞の免疫学的寛容の消失が考えられる。SLE患者のT細胞は機能亢進していて、アネルギーやアポトーシスに抵抗し、fasとbcl-2を含む蛋白によって制御されている。通常ならアポトーシスを起こして消失する自己反応性リンパ球が、SLEではアポトーシスの異常のため生存持続する。また、マクロファージや自然免疫の他の細胞の異常が、インターフェロンやToll like receptors(TLRs)の異常な活性化を起こすことなども含まれる。発症患者家族の多数例の研究では、疾患感受性候補遺伝子として、主に染色体1が確認された。
他にもSLEの症状を増悪させる機序があり、マクロファージ貪食や免疫複合体のプロセッシング(ペプチド断片切り出し)の欠陥も知られるようになった。
性ホルモンではSLEで女性が優位であることと関連している。思春期後のSLE男児と女児の研究で、FSHとLHが高値で、フリーアンドロゲンの低値を認めた。
C1q,C2,C4欠損を含む補体欠損症で、SLE発症が認められる。また、SLEでは、C4 null allelesや異常補体レセプターの頻度も高い。
紫外線曝露によるSLE症状の悪化は、皮膚細胞への障害により、核成分―たとえばDNA―の放出に至り、その結果、血中抗DNA抗体との免疫複合体産生増加によると考えられる。
膠原線維や膠原基質の変化に伴うフィブリノイド沈着が、障害臓器の血管にみられる。実質はヘマトキシリン小体を含み、多くは変性した細胞核のようである。リウマチ結節や肉芽腫が時に障害組織にみられる。
小児SLEは、しばしば成人と異なった重篤な症状を呈しうる。表1にSLEの主な所見を示す。
表1 SLEの主な所見

小児はしばしば、発熱、易疲労感、血液学的異常所見、関節痛/関節炎、発疹、
腎症状がみられる。症状は、間歇的な場合もあるし、持続的な場合もある。
1) 皮膚所見:しばしばみられる。特徴的な蝶形紅斑は、頬部と鼻梁を侵し、紅斑~厚みのある上皮~落屑を伴う発疹まである。皮疹は日光過敏性を有し、日光曝露の全ての部位に広がることがある。粘膜は、特に口蓋や鼻粘膜では、血管炎性紅斑から潰瘍まで起こりうる。Discoid疹は、小児期には稀であるが、discoid ループス(DLE)単独より、SLEの症状としてしばしばみられる。DLEの2-3%が小児期にみられる。他の皮膚所見として、特に手指、手掌、足底に血管炎性紅斑様皮疹、また、紫斑、網状皮斑、レイノー現象がある。頻度は少ないが、亜急性乾癬様皮疹、水疱性または蕁麻疹様皮疹、脱毛などがみられる。
2) 筋骨格所見:関節痛、節炎、筋炎がある。関節炎に伴う靱帯の障害のため重度の弛緩関節を起こす場合があるが、変形性関節炎はまれである。骨壊死はしばしばみられ、血管障害かステロイドの副作用と推定されている。
3) 漿膜炎等:胸膜炎、心膜炎、腹膜炎を合併する。肝脾腫とリンパ節腫脹もよくみられる。他の胃腸症状は、しばしば血管炎の症状として起こり、疼痛、下痢、下血、梗塞、炎症性腸疾患、および肝炎である。漿膜炎は急性腹症に似ている。心障害は、弁膜肥厚、心内膜炎(Libman-Sacks病)、心肥大、伝導障害、心不全、冠動脈炎と血栓など、心組織の様々な障害を認める。肺症状は、肺出血、肺浸潤(時々感染を合併)、肺高血圧、慢性肺線維症がある。初期の肺疾患はしばしば臨床的に無症状で、年一回の心エコー検査や肺機能検査で拡散能をみる必要がある。
4) 神経症状:中枢神経、末梢神経ともにみられる。多くのSLE患者で、全経過中に感覚消失や他の認知障害を経験する。神経精神症状は、重篤な場合もあり、精神病の診断基準を満たすこともある。single-photon 拡散CT画像で異常があっても、MRIやCTで正常な場合もありうる。動脈または静脈血栓は、抗リン脂質抗体症候群が疑われるが、脳や他の臓器でもみられ、また、再発性流産、網状皮斑、血小板減少、レイノー現象なども認める。血栓性病変は、ループス抗凝固因子や獲得性活性化protein C抵抗性の存在と関連している。
5) 腎症状:高血圧、浮腫、血管病変、電解質異常、ネフローゼ、腎不全などをみる。
活動性SLEの小児は、通常、抗核抗体価の上昇を認める。抗核抗体は何ら疾患のない者や他のリウマチ性の疾患患者(表3)でもみられるが、スクリーニングの指標に適する。抗dsDNA(二重鎖DNA)抗体価は、SLEにより特異的であり疾患活動性を示す。血清補体価(CH50,C3,C4)は活動期に低下し、疾患活動性の良い指標となる。抗Sm抗体は、SLEに特異的であるが、疾患活動性との関連はない。さらに抗Ro(SSA)抗体や抗La(SSB)抗体があれば、SLEにシェーグレン症候群の合併が示唆される。抗γグロブリン血症はよくみられるが、特異性はない。SLEにみられる主な自己抗体を表4に示す。
表4 SLEにしばしばみられる自己抗体

表5にループス腎炎の分類を示す。
表5 ループス腎炎の分類(INS/RPS 2004年)7)
Class 1:微少変化メサンギウム型ループス腎炎
光顕にて正常糸球体だが、蛍光抗体法にてメサンギウムに免疫沈着物陽性
Class 2:メサンギウム増殖型ループス腎炎
光顕にてメサンギウムに限局したメサンギウム細胞の増生とメサンギウム基質の増加がみら
れ、メサンギウムに免疫沈着物陽性蛍光抗体法や電顕にてわずかな孤立性の上皮下または
内皮下沈着物がみられても、光顕ではみられない
Class 3:巣状ループス腎炎
活動性であれ非活動性であれ、全糸球体の50%未満の巣状分節型で、管内性/管外性糸球
体病変を含む典型的には巣状内皮下免疫沈着物があって、メサンギウム変化はあってもなく
てもよい
3(A): 活動性病変のみ:巣状増殖型ループス腎炎 3(A/C):活動性および慢性病変:巣状増
殖型および硬化型ループス腎炎 3(C): 慢性非活動性で糸球体の瘢痕をみる:巣状硬化型ル
ープス腎炎
Class 4:び慢性ループス腎炎
活動性であれ非活動性であれ、全糸球体の50%以上のび慢性分節型で、管内性/管外性糸
球体病変を含む典型的には、び慢性内皮下免疫沈着物があり、メサンギウム変化はあっても
なくてもよい。50%以上の糸球体で分節型病変がみられる時は、び慢性分節型(IV-S)、50%
以上の糸球体でglobal(全般型)病変がみられる時は、び慢性global型(IV-G)と分類する。分
節型病変とは、一つの糸球体の50%未満に変化のみられる病変をいう。global病変とは、一
つの糸球体の50%以上に変化のみられる病変をいう。
IV-S(A)またはIV-G(A):活動性病変のみ:び慢性分節型またはび慢性global増殖型
IV-S(A/C)またはIV-G(A/C):活動性病変と慢性病変:び慢性分節型および硬化型またはび慢
性global増殖型および硬化型
IV-S(C)またはIV-G(C):慢性非活動性で糸球体の瘢痕をみる:び慢性分節硬化型またはび慢
性global硬化型
Class 5:膜性ループス腎炎
globalまたは分節型上皮下免疫複合体またはその存在が形態学的に光顕、蛍光抗体法、電
顕で認められる時。メサンギウム変化のあるなしにかかわらない。
Class 6:進行性硬化型ループス腎炎
90%以上の糸球体がglobalに硬化し、残存糸球体機能がない時
SLEの診断は、多臓器の障害を示す臨床および検査所見を総合して確定される。米国リウマチ学会(ARA)の診断基準では、11の基準項目のうち4つ以上を満たす時、SLEが強く疑われる(1982年)。SLEが疑われる患者で4項目を満たさない患者も、注意深い適切な治療を受ける必要がある。1997年の改訂基準では、LE細胞現象陽性の代わりに抗カルジオリピン抗体またはループス抗凝固因子陽性に変更となり、抗リン脂質抗体の重要性が再確認された。抗核抗体陽性は診断の必須項目ではなく、抗核抗体陰性のSLEも稀ながら存在する。低補体血症はARAの診断基準ではないが、厚生省研究班小児SLEの手引き(1986年)では、基準項目に低補体血症を加えて12項目として、小児SLEでの診断および治療の際の血清補体価の重要性を強調している。さらに、CH50価の高度低下や欠損は補体欠損症(特に早期補体成分欠損症)の存在を示唆する。腎生検はループス腎炎の診断と治療方針決定に有用である。表2にSLEの診断基準を示す。
表2 全身性エリテマトーデスの診断基準(米国リウマチ学会、1982年5)、1997年改訂6))
治療は、標的臓器と臓器障害の重症度により異なる。日光曝露は日焼け止め薬を使用して、できるだけ避ける。抗dsDNA抗体や血清補体価を含めた疾患活動性の指標となる血清マーカーを指標として行う。関節痛や関節炎の治療に非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)を使用することもあるが、SLEの患者は肝毒性が起こりやすいので注意する。小児では関節炎に対する対症療法ではなく、活動性評価後のSLE治療を行うことにより、NSAIDsは必要でないことが多い。血栓や抗リン脂質抗体またはループス抗凝固因子を有する患者は、少なくともSLEが寛解状態に入るまでは抗凝固療法を行う必要がある。血栓傾向があって血栓の既往のない場合は、少量アスピリン(小児用バッファリン1錠81mg/日など)の適応である。血栓の既往がある場合は、ワーファリンが使用される。一時的にヘパリンも抗凝固薬として使用される。
ステロイド(ス剤)は、症状を抑え自己抗体産生を抑制するため、第一選択薬である。ス剤治療は腎病変を改善し、生存率を改善した。ス剤は結核の診断を困難にしかつ悪化させるので、できる限りス剤治療前にツ反を行う。ス剤の最適量と投与経路(経口、静注)については、様々な考え方がある。成人では発症時、PSL1-2mg/kg/日を経口分割投与で開始することが多い。ただし小児では活動性が高いことが多く、初回からメチルプレドニン(MP)パルス療法(15-30mg/kg/回、最大量1g/日、2時間点滴静注、3日連続を1クールとする)の併用を必要とすることが多い。その場合はPSLの経口投与量は少な目に、例えば経口PSL1mg/kg/日にMPパルス療法1~3クールで開始する。MPパルス療法時は、適宜ヘパリンを併用する。血清学的指標の正常化後は、注意深く減量し、有効最低維持量までもっていく。ス剤減量中や寛解維持療法時の血清学的指標の増悪(疾患活動性の出現)を抑えるために、免疫抑制薬(アザチオプリン、ミゾリビンなど)の併用することも多い。ス剤維持量は、副作用も考慮してできれば隔日PSL投与が望ましい。ス剤の副作用は、易感染性、高血圧、胃潰瘍、骨粗鬆症、無血管性骨壊死、白内障、二次性副腎不全、中心性肥満などがある。MPパルス療法は、硬化性腎病変、高血圧、動脈硬化性病変など不可逆的慢性病変がある時は避ける。また、血栓傾向のある時も注意を要する。
初回よりPSLと免疫抑制薬の併用を考慮するのは、MPパルス療法で効果不十分な活動性で可逆性の重症ループス腎炎、活動性で重篤なCNSループス、内臓臓器や神経を侵す血管炎などの場合である。このような時の免疫抑制剤としては、シクロホスファミド(CY)(500mg~1g/m2)を月1回6ヶ月間繰り返す間欠CY高用量静注療法(CYIV)がある。出血性膀胱炎と骨髄抑制による骨髄抑制に注意する。膀胱を保護するために、十分な補液とメスナを投与する。CYIVの原法(NIH)では、6ヶ月以後は同量を3ヶ月に1回、2年まで繰り返すが、長期投与時の副作用である感染、卵巣機能抑制、発癌性への懸念などから、最近では成人で重症ループス腎炎の治療として、短期間の低用量間欠CY療法も試みられていて、効果も十分で感染のリスクも少ないとされた。たとえば、CY静注(500mg/回)を2週間毎計6回行い、以後は免疫抑制剤をアザチオプリンやミコフェノール酸モフェチルに変更して治療する方法である8)9)。今後は小児でもこの治療法の検討が必要である。アザチオプリンは、1~2mg/kg/日、分1投与である。ミゾリビンは、150mg/日であるが、最近は300mg/2日、分1投与も行われている。
最近では、小児期発症SLEの予後は、5年生存率100%、10年生存率は90%に達している。しかしながら、SLE発症以来の集積では50~60%の患者に何らかの臓器障害が認められる10)。表6にSLEの重症度分類(SDI score)を示す。今後は、疾患活動性のより良いコントロールだけでなく、不可逆的臓器障害が最小限となるような治療と管理が必要となる。そのためにも新しい治療法の開発が必須である。これからの新しい治療法として確認が必要なのは、低用量間欠CY療法、免疫抑制剤のミコフェノール酸モフェチル、分子標的治療薬である抗CD20抗体のリツキシマブなどである。小児での有効性と安全性を確認する中から、長期間にわたって臓器障害をより少なく、Quality of Lifeをより高める治療と管理が望まれる。
表6 SLEの重症度分類(SLICC/ACR Damage Index-SDI score) 11)
Damage(不可逆的変化で、急性炎症によるものではない)は、SLE発症以来起こっているもので、臨床的評価にて確認され、他に註がなければ少なくとも6ヶ月間持続するものである。少なくとも6ヶ月間離れて繰り返すエピソードは、2点とする。同じ病変は、二度は数えない。
基準項目 定義 点
眼症状 白内障変化 1
(臨床評価による) 網膜変化または視神経萎縮 1
精神障害 認知障害(例、記憶障害、計算障害、集中力に乏しい 1
会話困難、言語障害、正常活動能力の障害)または
重度の精神異常
6ヶ月間治療を必要とするてんかん発作 1
脳血管障害の既往(一つ以上あれば2点) 1(2)
脳神経障害または末梢神経障害(視神経を除く) 1
脊髄横断障害 1
腎病変 GFR予測値もしくは実測値50%未満 1
尿蛋白≧3.5g/24時間 1
末期腎不全(血液透析、腎移植を問わず) 3
肺病変 肺高血圧症(右心室突出、またはloud P2) 1
肺線維症(理学所見、X線上) 1
肺萎縮(X線上) 1
胸膜線維化(X線上) 1
肺梗塞(X線上) 1
心血管 狭心症または冠動脈バイパス 1
心筋梗塞の既往(一つ以上あれば2点) 1(2)
心筋症(心室の機能障害) 1
心臓弁膜症(拡張期雑音、または心収縮期雑音>3/6) 1
6ヶ月間の心膜炎、または心膜切開術 1
末梢血管 6ヶ月間の跛行 1
軽度の組織損失(表皮軟部組織) 1
著明な組織損失(例、指または四肢の損失、切除)(一つ 1(2)
以上あれば2点)
腫脹を伴う静脈血栓症、潰瘍形成、または静脈うっ血 1
消化管 原因を問わず、十二指腸以下腸管、脾臓、肝臓、または 1(2)
胆嚢の梗塞、切除の既往(一つ以上あれば2点)
腸間膜機能不全 1
慢性腹膜炎 1
腸管狭窄または上部消化管手術 1
酵素補充を要するまたは偽囊胞を伴う膵機能不全 1
筋骨格 筋萎縮または筋力低下 1
変形、またはびらん性関節炎(縮小可能な変形を含む、
無血管性壊死を除く) 1
骨折を伴う骨粗鬆症または脊椎骨折(無血管性壊死を除く)1
無血管性壊死(一つ以上あれば2点) 1(2)
骨髄炎 1
腱断裂 1
皮膚 慢性脱毛による瘢痕 1
広範囲の瘢痕または脂肪織炎(頭皮、表皮軟部組織を除く)1
6ヶ月間以上の皮膚潰瘍(血栓症を除く) 1
早期性腺障害 1
糖尿病 (治療の有無にかかわらず) 1
悪性腫瘍 (異形成症を除く)(一つ以上あれば2点) 1(2)
地域や人種により頻度が異なる。原住アメリカ人、アジア人、ポリネシア人、ヒスパニック、アフリカーアメリカ人は、頻度が高い。16歳未満小児期発症SLEは、全SLE患者の15-20%を占める。小児では、8歳未満の発症は稀であるが、1歳でのSLE発症も知られている。思春期前の男女比は、男性:女性=1:4であるが、思春期後は1:8である2)。
SLEの最も印象深い疫学研究の一つは、SLEと抗リン脂質抗体症候群の発症前からの自己抗体に関する研究である3)4)。130名のSLE患者のうち72名で、抗DNA抗体がSLE診断の平均2.7年前(~最大9.3年前)に検出された。また、その他の自己抗体―抗核抗体、抗Ro(SSA)抗体、抗La(SSB)抗体、抗Sm抗体、抗RNP抗体、抗リン脂質抗体も臨床診断前から検出された。抗核抗体は通常抗DNA抗体が陽性になる以前から陽性であり、臨床診断の直前に初めて抗DNA抗体が陽性となる患者もいた。抗Sm抗体や抗RNP抗体は、診断少し前から陽性になることが多い。
軽症でも診断される機会が増えたことから、SLEの頻度は増加している。米国では、1950-1979年では10万人当たり1.51人だったが、1980-1992年には10万人当たり5.56人だった。現在では軽症患者が多く、以前よりも生存期間が延びているが、これは治療法の進歩のみならず、軽症患者がより早期に診断されるようになったことにもよる。しかしながら生存率の改善にもかかわらず、生活の質は必ずしも改善していない可能性もある。
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